部位や素材によって、塗替え時期を見定めましょう

外壁材は、表面に塗装もしくは塗膜材が施されています。それらの耐用年数がメンテナンス時期となりますので、何が使用されているのか把握しておくことが重要です。

外壁材・屋根材の種類と特徴とメンテナンス

外壁材のメンテナンス

種   類    メンテナンス

湿

 法  

 

仕上塗材

(モルタル下地)

薄付

仕上げ塗材

 塗材もしくは塗膜材の種類によって、塗り替えの時期が変わってきます。耐久性の高い順に、フッ素樹脂系(15~20年)、シリコン樹脂系(12~15年)、ポリウレタン樹脂系(8~15年)、アクリル樹脂系(6~10年)となります。他にコーキング材の劣化状況を定期的に確認し、ヒビや割れがあれば補修をしてください。 

 厚付

仕上げ塗材

 複層

仕上げ塗材

 壁材(土壁)  定期的に土壁の表面やコーキング材を点検し、ヒビや割れ、剥がれなどがあれば補修してください。汚れが目立ち始めたら、塗り替え時期です。
 タイル(せっ器質)  タイル自体はメンテナンスフリーです。タイルの浮きや目地の破損の有無、コーキング材の劣化状況を定期的に確認し、ヒビや割れがあれば補修をしてください。
 天然石材(花崗岩)  石自体はメンテナンスフリーです。石の浮きや目地の破損の有無、コーキング材の劣化状況を定期的に確認し、ヒビや割れがあれば補修をしてください。
 レンガ(レンガタイル)  レンガタイル自体はメンテナンスフリーです。レンガタイルの浮きや目地の破損の有無、コーキング材の劣化状況を定期的に確認し、ヒビや割れがあれば補修をしてください。
 コンクリート打ち放し  撥水材の塗り替え時期については、商品ごとに異なりますので、取り扱いメーカーで確認してください。

仕上げ塗材・薄付仕上げ塗材

塗り厚が約3mmで、凹凸がある単層仕上げ塗材。吹き付けた状態で、左官仕上げのリシン掻き落としのような風合いになるため、吹き付けリシンとも言われています

仕上げ塗材・厚付仕上げ塗材

塗り厚が約4~10mmで、凹凸がある粗面の単層仕上げ塗材。吹き付けた表面に、ローラーやコテでスタッコ状の模様を施すことができます。

仕上げ塗材・複層仕上げ塗材

下塗り、主材、上塗りの三層で仕上げる、複層の仕上げ塗材。塗り厚は約1~5mmですが、耐候性や耐久性に優れています。フラット、ゆず肌、クレーター、凹凸などの模様を施すことができます。一般的には、吹き付けタイルと呼ばれています。

壁材・土壁

各地域で産出される可塑(かそ)性のある土を主材料として、混和材やのり、すさ、骨材などを練り上げてつくる日本の伝統的な塗り壁材です。本来は熟練した左官職人が、天候によって素材混合の比率を変えて現場で調合していましたが、最近では素材を工場で混合させた既調合材料を使うことが多くなっています。

壁材・漆喰

消石灰を主原料として、海草糊などの糊液と、スサと呼ばれる植物繊維を練り上げてつくる日本の伝統的な塗り壁材です。土壁と同じく、最近では素材を工場で混合させた既調合材料を使うことが多くなっています。

壁材・セメントモルタル

セメント、骨材、混和材、水を練り合わせたもの。ひび割れや剥離対策、施工性、テクスチャーや色の表現、断熱や防火性能などを上げるために、様々な改良が加えられている。仕上げ塗り専用セメントモルタルは、既調合材料が主流です。

 種  類    メンテナンス

 

 サイディング       窯業系   塗装や塗膜材の種類によって、塗り替えの時期が変わってきます。耐久性の高い順に、フッ素樹脂系(15~20年)、シリコン樹脂系(12~13年)、ポリウレタン樹脂系(8~15年)、アクリル樹脂系(6~10年)となります。他にコーキング材の劣化状況を定期的に確認し、ヒビや割れがあれば補修をしてください。
 金属系
 セラミック  タイルや石材自体はメンテナンスフリーです。パネルのジョイント部分に施されたコーキング材の劣化状況を定期的に確認し、ヒビや割れがあれば補修をしてください。
 樹脂系  劣化や退色がほとんどなく、コーキング材も使用しないため、メンテナンスは汚れを洗い落とすことと、破損した場合の取替となります。

 木式系

(不燃認定)

 表面の塗装が退色してきたら塗り替え時期。10~15年に1回程度が目安です。
 ALC  塗装の種類によって、塗り替えの時期が変わってきます。耐久性の高い順に、フッ素樹脂系(15~20年)、シリコン樹脂系(12~15年)、ポリウレタン樹脂系(8~15年)、アクリル樹脂系(6~10年)となります。他にコーキング材の劣化状況を定期的に確認し、ヒビや割れがあれば補修をしてください。

 ※耐用年数は、商品で違いがありますが、種類別の一般的な考え方です
※数値は商品によって多少の違いがあります

サイディング・窯業系

セメント質と繊維質を主原料として、板状に成型し、養生・硬化させたもの。組成によって、「木繊維補強セメント板系」「繊維補強セメント板系」「繊維補強セメント・けい酸カルシウム板系」の3種類に分けられます。耐火性、施工性に優れ、デザインのバリエーションが豊富で、住宅用外装材として7割以上のシェアを占めています。

サイディング・金属系

鉄、ステンレスや銅、アルミニウムなどの金属板に、断熱材を裏打ち、もしくは挟み込んで一体成形したもの。軽量で、施工性に優れています。最近では、基材の鋼板にアルミニウム、亜鉛、シリコンなどのメッキ層を施した「ガルバリウム鋼板」が、耐久性、耐候性、コストパフォーマンスが良いことから、普及しています。

サイディング・セラミック系

桟の付いた下地パネルに、タイルや石を引っ掛けて取り付けるものと、あらかじめ工場でパネルにタイルを接着加工したものがあります。

サイディング・樹脂系

塩化ビニル樹脂を主原料とし、軽量で施工性、メンテナンス性が良いことから、北米では5割以上のシェアを占めています。準防火地域、22条区域で使用する際に建築基準法による規制が掛かるため、個別認定を取得した商品を選ぶ必要があります。

サイディング・木質系

天然木に塗装を施したもの以外に、木材の小片を接着剤と混合し板状に熱圧成形したパーチクルボード製や木質繊維を原料とする成型板のMDF製のものがあります。防火指定のある地域でも使用可能な、不燃処理を施した製品も開発されています。

サイディング・ALC

石灰質原料と珪酸質原料を主原料とし、これに発泡剤や混和材を混合して形成し、養生硬化させた多孔質の軽量気泡コンクリートのパネルです。断熱性、耐火性に優れ、主に鉄骨造の床・壁・天井などに使用されています。

屋根材のメンテナンス

(1)防水性の維持と、(2)変色等に対応する美装のために行われます。塗装を施す金属系屋根材は、美装と耐候性の両面から塗装をやりかえることが必要ですが、化粧スレートやセメント系瓦は美装が目的です。塗料としては、フッ素樹脂塗料(塗り替え15年~20年)、アクリルシリコン樹脂塗料(塗り替え12年~13年)、アクリルウレタン樹脂塗料(塗り替え8年~10年)が使われます。

 種  類   耐用年数  メンテナンス
スレート系  化粧スレート(人造スレート)  20年~50年(現在の商品はかなりアップしている)  耐久性・美装目的で塗装(10~15年に1回程)
 天然スレート  半永久的  無し (退色なし)
 セメント系  厚型スレート(プレスセメント)  20年~40年  耐久性・美装目的で塗装(10~20年に1回程度)
 コンクリート  耐久性・美装目的で塗装(10~20年に1回程度)
 粘土系(瓦)  釉薬瓦(陶器瓦)  半永久的  無し (20~25年褪色なし)
 無釉瓦(素焼き瓦)  30年~50年(ヨーロッパ製は釉薬瓦より短い)  無し
 金属系  ガルバリウム鋼板  素地で40年  美装・耐候性目的で塗装(フッ素樹脂塗装の場合20年に1回程度)
 銅板  素地で50年  緑青(自然酸化)

※耐用年数は、商品で違いがありますが、種類別の一般的な考え方です
※数値は商品によって多少の違いがあります。

種類による特徴

化粧スレート(JIS A 5423)カラーベスト・コロニアルと呼ばれている

セメントを高温高圧下で養生・成型した板状の合成スレートに、着色したものを「化粧スレート」といいます。薄い住宅用屋根葺き材の一つで、耐候性(風雨や日光などに耐える力)も強く、軽くて、耐震性面でも有利なことから、屋根材として広く普及しています。以前は不燃性を保つため石綿(アスベスト)を使用していましたが、現在では使用されていません。環境問題等への配慮から、石綿を使用しない製品(ゼロアスベスト)が登場し、石綿の代わりに、人工繊維や天然繊維を使用した無石綿の化粧スレートに変わっています。施工後35年以上経過した調査で、耐久性に変化は見られなかったという報告も入っています。
※「カラーベスト」とは旧クボタの登録商標で、「コロニアル」とはカラーベストのなかで最も標準的に普及している商品です

天然スレート

スレートとは、粘板岩のことを指し、具体的には玄昌石(げんしょうせき)を言います。玄昌石を屋根に使っている場合、天然スレート葺きと言います(玄昌石を床に使うこともありますが、この時はスレートとはいいません)。

セメント系

セメントと砂から作った瓦です。
セメント瓦はそれ本体には防水性能がほとんどありません。防水性能維持するためには塗装が必要となってきます。アクリル系樹脂塗料や水系樹脂塗料、フッ素系樹脂塗料で塗装します。
セメント系材料は寸法精度にも優れ、施工性の点では優れている屋根材と言えるでしょう。
製法の差異により以下の2種類に分けられます。

厚型スレート

セメントと細骨材(砂)を原料とするセメントモルタルを型枠に入れ、プレス、脱水、成形し、養生(ようじょう)後に塗料で表面処理します。石綿スレートと比較して厚みが厚いので厚形スレートの名称が生まれたと言われます。また、厚形スレートで、釉薬瓦に使う釉薬で表面処理をしたものを施釉(せゆう)セメント瓦といいます。
厚形スレートの形状には、和形、洋形、平形、S形等の種類があります。しかし最近は住宅の洋風化にともない、洋式や平形が多く商品化されています。

コンクリート

コンクリート瓦は厚形スレートと同じ材料で構成されますが、厚形スレートよりセメント量が少ない硬練りのモルタルで製造します。オーストラリア・モニエル社と高圧・半乾式成形の技術を共同開発し、昭和48年に日本に技術導入されたことから、モニエル瓦と呼ばれています。形は洋風タイプの洋形と平形があります。最近では、基材着色などの方法で25年の色保証を打ち出すメーカーも出てきています。

粘土系

粘土を使った焼きものの屋根材で、表面に釉薬が塗られている(A)釉薬瓦と、塗られていない(B)無釉瓦(素地瓦、いぶし瓦、素焼き瓦)とに大別することができます。粘土瓦は粘土をベースに焼いた瓦で、他の屋根材に比べて重量が重くなり、耐震性能を考慮する必要があります。また、表面は強く、色味に関しては半永久的にメンテナンスがいりません。年月とともに味わい深さが出てきます。
釉薬瓦
陶器瓦とも呼ばれ、プレス成形した瓦形の素地に釉薬(うわ薬)をかけて、窯の中に入れて高温で焼き上げた瓦をいいます。瓦表面の釉薬がガラス質になっているため、水が浸透せず、長い年月を経ても美しい状態を保て、メンテナンスの必要がありません。釉薬を使うことから、色が豊富にあります。形はJ形(和形)、F形(平板)、S形等があり、家の形状、デザインに合わせて使い分けられます。和風住宅だけでなく洋風住宅でも用いられています。

無釉瓦

無釉瓦には「いぶし瓦」、「素焼瓦」などがあります。無釉瓦は、釉薬を施さず陶器の素地の色合いが出るため、お国柄が良く出ます。
「いぶし瓦」は、釉薬(うわ薬)をかけずに焼き、松材や松葉で黒色にいぶすことから、瓦全体が渋い銀色をした瓦です。釉薬瓦に比べ、耐久性が落ちます。デザイン的に、和風住宅の屋根に適していることから、日本建築のお城や寺社、和風住宅の屋根に多く使われています。
「素焼き瓦」は、釉薬を施さず陶器の自然の風合いを生かした瓦で、酸化炎焼成の赤色のため赤瓦とも言われています。色合いもナチュラルで、洋風建築によくマッチします。スペイン瓦が代表的です。
S型瓦はスペイン瓦のイメージで、日本の気候に合った商品として、日本で製作しています。

金属系

金属葺きには、(A)鋼板、(B)銅板、(C)カラー鉄板などの種類があります。金属板は、加工しやすく施工性がよいことから、複雑な屋根形状もできて、葺き方のバリエーションが多いことが特徴です。長方形の平板を横長に葺く「一文字葺き」と、棟から軒先にかけて棒を並べたように葺く「瓦棒葺き」が代表的です。最近では、耐久性とモダンなデザイン性から、ガルバニウム鋼板の金属屋根が多用されています。
ガルバリウム鋼板
鉄板を基材としてアルミニウム、亜鉛、シリコンからなるメッキ鋼板をガルバリウム鋼板といいます。
積雪寒冷地、海岸地域、 強風地域はもとより、最近問題になってきている酸性雨や 公害地域でも使用できます。また耐久性の高いシリコンやフッ素樹脂の塗膜をしていることから、長期間メンテナンスが必要ない商品もあります。

銅板

さびない金属として日本で古くから使われています。和風住宅では、瓦葺きから1段落として葺く、腰屋根に多く使われています。 銅は緑青(ろくしょう)が出て、緑色に変色してしまうと、それ以降長期にわたって持ちます。50年持つといわれていました。しかし近年の酸性雨の影響で、耐久性が低下しています。
価格と耐久性のバランスから、現在では0.35mmか0.4mmの物を使用することが多いようです。